税制適格年金ができたのは昭和37年。これが2012年3月末に廃止されることになっている。この制度は退職金の外部積立て制度で、積み立てにかかる拠出金が全額税法上損金に算入されるということで、財務状態の良い中小企業を中心に広まった。08年3月末で、まだ32,826社が制度移行できないでいる。

税制適格年金のベースになっているのが企業の「退職金規定」だ。移行に際して退職金の水準が引き下げられたりすると、就業規則の不利益変更となり、コトは複雑になってくる。

企業側からすると、中小企業退職金共済(中退共)への移行が比較的簡単だが、新規加入が条件となっており、すでに中退共を利用している企業は移すことができない。これは何とかできないものだろうか。401Kなど他の制度への移行も考えられるが、401K(確定拠出年金)の場合は導入の手順も複雑で、個人が自己の責任で運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることになっており、労使合意が円滑に行くかどうかなど、ハードルも高い。私的には、お薦めできない。

退職金は、労働法上、賃金としての位置付けが明確にされ、「賃金の支払い確保等に関する法律」においても、一定の保全が義務付けられているし、判例等においても退職金が「賃金の後払い」としての性格を有している、との判断が一般的だ。

従来の退職給与引当金から退職給付制度へと改訂されて、退職給付に係る隠れ債務が顕在化することになった。退職給付債務の測定に当たっては年金数理計算を行うことが必要だが、従業員300人未満の小規模企業の場合は、期末の要支給額を用いた簡便法も認められている。

いずれにしても、企業が負う事務費用は相当なものだ。

公的年金の安定化の為には、定年年齢のさらなる引き上げも必要だとする声も多い。企業が人を雇用し利益を得る道は、益々険しくなっている。これまでのように行き当たりばったりの採用ではダメということだ。

労働法上、「採用」に関しては比較的自由度が高いので、「採用」に全神経を注ぐ必要があろう。14日までの試用期間を有効に活かし、その人物の性格なりを真剣に観察すべきだと思う。

企業は人なりとは言うが、悪貨が良貨を駆逐することのないように、悪貨の進入を防ぐことだ。

残念なことに、「性格」というものは、そう簡単には変わらない。自己啓発への意欲や目標達成能力というものは、教育だけでは容易に引き出せない。

参考になるかどうかは分からないが、100万ドルの習慣(ロバート・J・リンガー著DHC発行)の中の「サソリの法則」を紹介しておこう。

サソリがカエルに話しかける。「ねぇ、カエル君、池の向こう岸まで、僕を背中に乗せてってよ。僕は泳げないんだ」するとカエルは「冗談じゃない、お前がどんな奴か、僕だって知っているよ。僕の背中に乗った途端、僕を刺すに違いない」サソリはなおも食い下がる。「バカだなぁ、そんなことすれば、僕もおぼれてしまうじゃないか」結局、根負けしたカエルは、「ふ〜ん、ならいいよ」と納得してしまった。池の途中まで進んだ所で、サソリは案の定カエルを毒針で刺した。悶絶しながらカエルはサソリに言う。「どうして刺したりしたんだ。君もおぼれて死ぬんだぜ」サソリは答えた。「仕方がない。それが僕の性分なんでね」

「性格」を判断することは容易ではないので、第三者(カウンセラーや社労士など)を入れて採用面接をするなどの工夫が必要だと言うことです、ョ。人事担当者や社長の好みではなくて、ね。
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